日別アーカイブ: 2013年7月31日

ミニマムコラム/ときどきおうきvol.15

~リアルな声が、消されないために。

つい先日のこと。
昨年の12月に、鴨沂在校生保護者及び鴨沂野球部OBを中心とした方々が、「鴨沂高校校舎仮移転及び、これまで使用してきた紫野グランドに、京都府が新設するフレックス学園が建設される事によってこうむる不利益を受けないように」とした要望書が、約1700人の署名と共に、京都府教育委員会に提出された、という話を知りました。

「今後は鴨沂高校の北運動場の更地化で、グランド対応します。」
「部活動については、他のグランドが使えるよう、検討し、いくつかの候補地を挙げている所です。」
「仮校舎期間には、周辺大学等のグランドを利用し、体育の授業を行います。」
「これまで、鴨沂生は遠隔地である紫野グランドで体育や部活動を行ってきましたが、移動時間の短縮や、移動時の安全を考慮するため、また、校内でグランドを持つ事による、教師らの目の届く範囲で行われる部活動や授業という安全面を考慮し、北運動場を更地化し、鴨沂のグランドとします」。

これらの話を、これまで鴨沂高校北運動場や、紫野グランドの件を尋ねる度に、教育委員会も、そして先日初めてお話を伺う事が出来た、今年度から教育委員会から赴任された鴨沂校長から、繰り返し聞かされてきました。

「鴨沂高校は長年に渡って紫野グランドを利用してきたし、私たちが居た頃には、少なくとも紫野グランドが遠隔地である事の不便について、不満があるなどという話は聞いた事が無い。例えば、遠いから不便だとか、学校校内にグランドが欲しい、という声が、現在の在校生やPTAから、そのような不満等の声として、挙っていたのでしょうか?」と尋ねた時、担当者が何とも言えない顔をして、話をはぐらかせた様子は決して忘れません。

これまで、
私は、もしも、鴨沂高校在校生が、この問題について、特に不満が無いのであれば、そして、この件について、教育委員会の対応
に問題の声が挙っていないのであれば、それは、リアルなニーズとして、我々もはや部外の人間が、この件であれこれ言うのは、それは違うだろうかもしれないと、思い続けてきました。

が、このような要望の声が挙るということは、つまり、鴨沂高校の北運動場を更地化する事で、問題が解決しているとは、まさか思えません。実際、校外のグランドも、京都市内にはなかなか探す事も出来ず、抜本的な解決には至ってはいません。

なんとも・・・滅茶苦茶な話です。

私や、また、今回の校舎保存活用の署名活動にご協力頂いた方には、きっと分かってもらえると思いますが、この、1700人という署名の数は、そう簡単に、集められるものではありません。きっと、相当なエネルギーで、心から、在校生の為を思い、必死で集められた、貴重な貴重な、声の筈です。しかも、内容は実に世間的にはマイナーな、「鴨沂生のためのグランド確保」を訴える、関係者以外からはなかなか関心を持ってもらえないようなものです。

まことに遅ればせながら、このような署名活動があったという事を知った訳ですが、どこか、私は心の中で、決して皆さんが、これらの問題について諦めている訳では無いのだ。鴨沂が鴨沂らしく、必死の声で、訴えているのだ、という事が知れた事に、どこか、救われたような気持ちになりました。
勿論。問題が解決された訳では、まったく無いのですが。

この署名活動を知った時、以前、府一(女学校)時代をお過ごしされた皆様とお話した時に、皆さんが口々に、「北運動場の建物を更地にしてグランド化?!そんなの、あの場所の建物(プール棟と旧体育館)を無くした所で、グランドになんて、出来る訳ないじゃない!私たちの頃ですら、校外の、京都市植物園にあったグランドを使っていて、そこまで通っていたと言うのに!」と、憤っておられた事を思い出しました。

今回、この署名活動があったという事を教えて下さった方に、「昔、私たちの頃は、サッカー部もラグビー部も結構強かった時代があるんです。そんな頃だったら、鴨沂生の部活動環境も、きっとこんな目には遭わなかったんでしょうかね」と言ったら、「いや。例えば野球部ですが、京都市内で硬式野球が出来る場所って、本当に限られているんですよ。それに、例えば野球部ですが、確かに決して鴨沂は強くは無いけれど、本当に野球をするのが好きな子には、実は結構人気があったんです。例え野球の強い高校に入学しても、せいぜい球拾いさせられて終わるかもしれない。それを考えたら、鴨沂で野球を存分にやれる、というのも、彼らにとっては大きな魅力だったんだそうですよ」との事。

そう言われて、以前紫野グランドに写真を撮りに行った時に居た、鴨沂の野球部の子達の姿を思い浮かべて、なんとも言えない気持ちになりました。

紫野グランド。
ここには秋からいよいよ、京都府肝いりの「フレックス学園」の建設がスタートされる予定です。この少子化にあって、新設の高校設立。
確かに、このようなシステムの学校が、府内に新設される事を待ちわびる子供達が、もしやたくさん居るのも事実なのでしょう。
が、この高校がかの地で出来る事によって、我が母校の在校生達は、一方で大きな不利益をこうむります。

陸上部も、サッカー部も、野球部も、
体育授業も、そして、体育祭も、恒例行事も・・・

1700人の声を、私たちも一体、無視出来るでしょうか。