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東京大学・安田講堂は残される!

「東京大学安田講堂は、現在改修工事中。決して、破壊される訳ではありません。」

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東大の安田講堂が、現在改修工事中である事をご存知ですか?
東京大学のまさにアイコン的存在かつシンボル、本郷キャンパスにある講堂で、正式名称は「東京大学大講堂」、通称「安田講堂」は、大正14年(1925年)に竣工した建物で、現在の鴨沂高校校舎よりも大先輩にあたる築年数を誇ります。
その名前の由来は安田財閥の創始者・安田善次郎による匿名という条件付きで建設されたものが、安田氏の死後に寄付を行ってた事が知られるようになり、故人を忍んで「安田講堂」と呼ばれるようになったのだそうです。

竣工は大正11年でしたが、着工後に関東大震災が起こり、キャンパス内の建物は破損や火災によって壊滅的な被害を受けたそうですが、こちらの講堂の建設中現場には被害が無く工事を再開されたとの事で、大震災を乗り越え、また第二次世界大戦中には関東大空襲からも逃れ、現在もこの地で堂々と存在しています。更に歴史を紐解けば、1968年~1969年にかけての「東大紛争」では、全学共闘会議によって占拠され、激しい攻防戦の舞台にも。最終的には機動隊により強制排除されましたが、講堂内部は投石や落書きなどで荒廃し、その後長年に渡り一部施設以外は閉鎖されたまま時は過ぎました。1988年から1994年に旧安田財閥ゆかりの企業などからの寄付もあって大改修が行われ、演奏会や卒業式、学位授与式等が再び行えるようになりました。

しかしながら2011年の東日本大震災では、講堂も一部被害を受け、この度、「建て替える」という選択では無く、耐震改修に加えてなんと建築当初のオリジナルの計画案に近い形に戻すという全体プランにて大掛かりな改修工事を行う事を決定したのだそう。先日のテレビ報道では、空間の屋根の部分を従来よりも軽い素材にして建物のかかる負荷を軽減するなど、最新の技術も取り入れてこの名建築を復活させる模様です。現在は登録有形文化財の指定を受けていますが、今回の改修内容を思えば、更に上ランクの文化財指定を視野に入れているのでは無いかとも思われます。

「それはねえ、東京大学だから」と、一括される方もおられるでしょう。鴨沂と比べるなんて・・・とも。ですが、一方では鴨沂高校よりも築年数の更に古い建造物が、震災や戦火、そして荒廃という数度の危機に陥りながらも尚、古い基盤をそのままに、かつ元の形に戻そうとする学校建築がこうしてあるという事、こうした事例があるという事を私たちも知らねばならないのでは?と思うのです。
また、今回の東大におけるプロジェクトでは、「安田講堂改修寄付プロジェクト」と銘打って、総長自ら寄付を呼びかけるという点も素晴らしいな、と。思いのある人が寄付が出来るという窓口が公に向けて設けられたなら・・・鴨沂高校の前身である女学校においても、現在の校舎の多くに卒業生や保護者、街の方々のご寄付によって建てられたのですから、時代は違えど、出来る事はあるのでは無いかと思う次第です。
東京大学安田講堂の改修工事についての詳細はこちら↓
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/news/topics/1527/

新しいものがどんどん生まれる街、東京。いつ訪れても何かしらの工事が行われているような動きの激しい日本の中心地ですが、よく見渡せば、ここは先にも述べた通り関東大震災、そして関東大空襲と、都市の歴史を見ればその多くをこうした壊滅的な被害によって失われた街でもあります。よって、思いのほか、近代建築でこれら災害等を免れた建築物は大切に残されている所でもあるのです。この度の東京駅に関してもまさにこの安田講堂と同様、建築当初のオリジナルから忠実に再現されたものが、現代の都市生活とミックスされて存在しています。

鴨沂高校校舎に関しては、「出来ない理由」ばかりを皆が聞かされてきました。また、その出来ない理由に多くの人が根拠無しに納得もしくは諦めてきたように思います。それらを自身の中で論破するのは、こうした実例の数々、可能性という知識の数、なのかもしれません。

STILL OHKI ⑳

<保存活用から消された鴨沂シリーズ⑳>

元々は木製サッシだった鴨沂高校教室の廊下側窓。

昨年に日本建築学会近代建築部会の先生方と校舎見学をした際、「こうした新建材が劣化するとただ醜くなるから、こういう汚れとかを見て、多くの人は全体が老朽化してしまったと視覚的に思うんですよね・・・」と言われていた。

昭和40年代の校舎改修では、これら安価な新建材が校舎内にこれまでのものととって変えられてしまい、それはしばらくは綺麗な美観も保っていたかもしれないけれど、木製とは違ってアルミのそれは、経年劣化の中で味わいというものは勿論出て来ない。

よって、この度の計画にて、これらは全て、取り替えてしまえばどれだけ見違える程綺麗になるか、という事を是非想像されたい。

または元の通りの木製サッシに変えられれば、どれだけ柔らかな雰囲気に生まれ変わるか。想像されたい。

決して豊かじゃ無い京都府財政の賢い選択。求む。

「財源の無駄。文化破壊の無駄。いい事無しの計画。見直せる方が、潔いのに、かっこいいのに・・・」

~京都府の府債残高、約2兆円というニュース

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京都新聞電子版リンクはこちら↓

http://kyoto-np.jp/politics/article/20140728000141

府民一人あたりの借金は74万4千円とか・・・。

公共事業費の支出増が響いた結果とされます。

先日7月26日の京都新聞電子版には、京都府内公共施設が34年後の更新建設費は2.4倍と試算されると京都府が発表。少子高齢化の影響による財政悪化は、確実に将来の負担として、未来の京都府民にのしかかってくる模様。

記事のくくりには「施設の長寿命化を図ったり、市町村間で施設の共用をするなど対策が必要」と府自治振興課の言葉があります。

同じく京都新聞電子版リンクはこちら↓

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20140726000042?fb_action_ids=532969086832503&fb_action_types=og.likes

このような状況の中、そして先行きの心配もある中で、本当に今、行わねばならない校舎解体及び新築計画、なのでしょうか?

鴨沂高校校舎も勿論、公共施設です。

そして、それら安全を確保しつつ、財源も節約し、貴重な京都の文化財を守る賢い選択や方法もある筈です。

日本が大好きです、と言えるかな。

<ちょっとブレイク。素敵な映像を見つけたので>
~海外の映像作家から見た、「日本が大好きです」という視点。

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オーストラリア在住の映像作家が、日本各地で撮った映像。
東京や大阪、奈良、などと共に、京都で撮られたものも含まれています。
スローモーションを中心とした絵は、観る側、その光景を観た側の人間に何か作者側の意図があるのかとも思えるほど、儚さと共に、これら光景がどうか、ゆっくりとゆっくりと、流れるだけでなく出来る限り留まって欲しいと思わせるような気持ちになります。

先日、卒業生インタビューで潮さんが言われた所の、歌舞伎で言う「型破り」と「形無し」の話がここのところずっと、心にひっかかったままで居ます。また、以前同じくお話頂いた卒業生で現在は遠くアメリカに住まれている有吉さんのお話にも、「遠い地に住み懐かしい故郷を偲ぶ時は、風情ある古都の街並と共にあの学び舎がいつも出てきます。それは感傷的な思い出だけの外観でなく、私自身の歴史の象徴だからです。」という言葉がありました。
全体の現象を客観的な視点でしっかりと捉えた時、何が大切な事か、それらが見えて来るのかもしれません。

さて。
この映像を撮られた作者は外国人。ですが、この国に対するリスペクトや愛情という気持ちが作品中に溢れているように思います。
日本に居ると、出身地が「京都」と言うだけで、他府県の方から「いいね!」と言われ、また我々地元の人間もそう言われてまんざらでも無い気持ちになったりします。この、歴史と伝統という時間の堆積が育んだ京都というブランドに、我々は随分救われているように思います。
けれど、恐らく多くの我々地元の人間は、そのアイデンティティーを育んだ地元について、多く知らない事、そしてそれらを積極的に守り継承するというアクションを起こしていないで、ただその恩恵にあやかっているという人も、もちろん当方を含めて多いように思います。

話は戻りますが、今回リンクする映像の興味深い所は、ただ東洋趣味に収まらず、海外の方から観た日本のオリエンタルさだけを浮き彫りにしたものでは決して無い所も注目です。つまり、現代的で都会の雑然とした身の丈の日本も、多用されている所が面白い。
こうした映像が、日本人では無く、海外の方から作られた、という事に驚き、そしてそれが少し残念にも思えるのは、当方だけでしょうか?
私たちは、彼ら以上に自身のコアを、愛しているでしょうか?

http://www.huffingtonpost.jp/2014/07/28/japan-love-on-vimeo_n_5625716.html

鴨沂高校・北運動場の様子

<速報!北運動場の様子>

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以下、情報のシェア。

プール棟及び体育館が解体され更地になった鴨沂高校北運動場。

周辺を約15mの支柱で囲う事が計画され、また学生ワークショップ等でもそう伝えられていた筈ですが、どうやら支柱の現在の高さは9m程との事。↓

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「運動場利用においては、特に球技系部活動では府教委及び学校側が言われる所の「更なる工夫」が、学生側に強いられる模様です。

景観に配慮した? 防球ネットの設置が始っています。

今のところ高さは9m程度ですが、計画は14.9mです。地上をあまり深く掘られていない様ですが耐震構造は大丈夫なのか不安です。」

支柱のディティール写真

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